ラクチン!アイデア可視化

スマホで手軽に!シックスハット法をテキストで実践するアイデア整理・共有術

Tags: シックスハット法, アイデア整理, グループワーク, テキスト入力, 思考法, スマホ

グループワークで新しいアイデアを考えたり、課題の解決策を検討したりする際、なかなか意見がまとまらない、一部の意見に偏ってしまう、発言しにくい雰囲気があるといった課題を感じることはありませんでしょうか。特に、限られた時間の中で効率的に多様な視点からの意見を出し合い、それらを整理・共有することは容易ではありません。

このような状況を改善し、よりスムーズにアイデアを多角的に検討する方法として、「シックスハット法」という思考フレームワークがあります。これは、6つの異なる色の「帽子(ハット)」をかぶったつもりで、それぞれの色に対応した特定の視点から考えや意見を述べることで、意図的に多様な視点を取り入れようとするものです。通常、議論の中で発言が混ざりがちですが、ハットの色ごとに視点を分けることで、論理的に議論を進めることができます。

「絵を描かなくても簡単にアイデアを整理・共有する」をコンセプトとするこのサイトでは、このシックスハット法を、絵や複雑なツールを使わずに、テキスト入力だけで手軽に実践し、アイデアを整理・共有する方法をご紹介します。特に、スマートフォンでの操作に慣れている大学生の方々が、グループワークで活用することを想定しています。

絵を描かないテキスト中心のシックスハット法とは

シックスハット法は、以下の6つの視点(ハット)を使って思考を進めます。

通常は会議形式で順番に発言していくことが多いですが、これをテキストベースで行うことで、以下のようなメリットが得られます。

具体的な実践方法

シックスハット法をテキストで実践するためのツールとしては、以下のようなものが考えられます。いずれも無料で利用でき、スマートフォンでの操作がしやすいものです。

ここでは、共同編集可能なドキュメント(例: Googleドキュメント)を使った基本的な手順を紹介します。

  1. テーマ設定: グループで検討したいテーマや課題を具体的に設定します。
  2. ドキュメント準備: 共同編集可能な新しいドキュメントを作成し、参加者全員に共有します。ドキュメント内に、白、赤、黒、黄、緑、青の各ハットの項目(見出しなど)を作成しておきます。
  3. ルールの確認: 各ハットの意味と、今回はテキストで意見を書き込むことを共有します。ハットを切り替えるタイミング(例: 5分ごとにハットを変える、全員が書き終えたら次へ進むなど)や、書き込む際の注意点(例: 他の人の意見を批判しないなど)も決めます。
  4. 実践: 設定したハットの順番に従って、各ハットの項目に各自が考えたことをテキストで書き込んでいきます。
    • 白のハット: 「〇〇に関するデータによると…」「現状は〜という事実があります」「この件について他にわかっていることは…」など、客観的な情報のみ。
    • 赤のハット: 「このアイデアを聞いてワクワクします」「正直、少し不安を感じます」「直感的にこれは良さそうだと思った」など、感情や直感を率直に。
    • 黒のハット: 「この計画には〇〇というリスクが考えられます」「予算が足りなくなる可能性があります」「〜という問題が発生するかもしれません」など、批判的、否定的な視点。
    • 黄のハット: 「このアイデアが成功すれば〇〇というメリットがあります」「〜という可能性を秘めていると思います」「この点は非常に優れている」など、肯定的な視点。
    • 緑のハット: 「全く新しい視点ですが、〜というのはどうでしょう」「これまでの意見とは違うのですが、こんなやり方もあるかもしれません」など、創造的、新しい発想。
    • 青のハット: (進行役が担当することが多いですが、全員で考える場合も)「これまでの意見をまとめると、現状はこうで、リスクとメリットはこうですね」「次にどのハットで考えましょうか」「この議論から見えてきた論点は〇〇です」など、プロセスや整理に関する記述。
  5. 共有と整理: 全てのハットでのテキスト入力が終わったら、ドキュメントの内容を共有画面で見たり、各自で読んだりしながら、意見を整理したり、さらに議論を深めたりします。必要であれば、テキストにコメント機能で補足を入れることも可能です。

グループワークでの活用事例

まとめ

シックスハット法を絵や複雑な図を使わず、テキスト入力だけで手軽に実践することで、グループワークにおけるアイデア出しや問題解決のプロセスを、より多角的かつ建設的に進めることができます。共同編集ドキュメントやチャットツールなど、日頃使い慣れているツールを活用すれば、新たな負担なく取り入れられます。

ぜひ、次のグループワークで、この「絵を描かない」テキストによるシックスハット法を試してみてはいかがでしょうか。多様な意見を引き出し、活発な議論を行うための一助となるはずです。