アイデアを二軸でラクチン分類!絵を描かない整理・比較術
アイデアはたくさん浮かぶものの、それらをどのように整理し、どれを採用するか判断するのは難しいと感じている方もいるかもしれません。特にグループワークでは、様々な意見を比較検討し、共通認識を持って前に進む必要があります。絵を描いたり複雑な図を作成したりするのが苦手な場合、こうした作業はさらに負担に感じられるかもしれません。
本記事では、絵を描かなくてもアイデアを分かりやすく分類・比較・整理できる「二軸マトリックス」という方法と、その実践的な活用術をご紹介します。特別なツールは不要で、テキストや簡単な表を使えばすぐに始められます。
二軸マトリックスとは
二軸マトリックスは、アイデアや選択肢を評価し、相対的な位置関係を視覚的に捉えるためのシンプルなフレームワークです。二つの異なる評価軸(例: 実現可能性と効果、重要度と緊急度)を設定し、それらを交差させた4つの象限(エリア)でアイデアを分類します。
この手法の大きなメリットは、複数のアイデアを同じ基準で比較できる点、そして直感的に全体像を把握できる点です。絵を描く必要はなく、軸の名前とそれぞれのアイデアがどの象限に位置するかをテキストで記述するだけで十分です。
絵を描かない二軸マトリックスの作り方
絵や図を使わずに二軸マトリックスを作成するには、以下のステップで進めます。特別なツールは必要ありません。普段使用しているメモアプリやテキストエディタ、スプレッドシートなどで実践できます。
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対象となるアイデアをリストアップする まずは、整理・比較したいアイデアをすべて書き出します。箇条書きなど、分かりやすい形式で一覧にします。 例:
- オンラインイベント企画A
- 地域の企業とのコラボ企画B
- 新しいSNSを活用した広報企画C
- 学生向けのワークショップ企画D
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評価するための「二つの軸」を決める アイデアをどのような観点から評価・分類したいか、二つの軸を明確に設定します。軸は、アイデアの目的や状況に合わせて適切に選びます。例えば、企画案であれば「実現可能性」と「期待される効果」、タスクであれば「重要度」と「緊急度」などが考えられます。 軸の定義も明確にしておきます。例:
- 横軸: 実現可能性(左に行くほど低い、右に行くほど高い)
- 縦軸: 期待される効果(下に行くほど小さい、上に行くほど大きい)
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簡易的なマトリックス構造を作成する テキストや簡単な表で、二つの軸が交差する構造を表現します。4つの象限の名前や特徴を記述しておくと、後でアイデアを配置しやすくなります。 例(テキストでの表現):
text 期待される効果(大) ▲ | | (高効果・低実現性) | (高効果・高実現性) |--------------------| | (低効果・低実現性) | (低効果・高実現性) | +--------------------▶ 実現可能性(高) (低)
または、スプレッドシートなどで簡単な4分割の表を作成します。| | 実現可能性(低) | 実現可能性(高) | | :-------------- | :------------- | :------------- | | 期待される効果(大) | 高効果・低実現性 | 高効果・高実現性 | | 期待される効果(小) | 低効果・低実現性 | 低効果・高実現性 |
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各アイデアを評価し、マトリックスに配置する リストアップした各アイデアについて、ステップ2で設定した二つの軸に沿って評価します。そして、ステップ3で作成したマトリックス構造の、該当する象限にアイデアの名前(または略称)を記述します。
例(テキストでの配置):
text 期待される効果(大) ▲ | | 企画C | 企画A |--------------------| | 企画D | 企画B | +--------------------▶ 実現可能性(高) (低)
スプレッドシートであれば、該当するセルにアイデア名を記入します。 -
マトリックスを見て分析・検討する アイデアが配置されたマトリックス全体を眺め、分析を行います。例えば「高効果・高実現性」の象限にあるアイデアは優先度が高いと判断したり、「低効果・低実現性」のアイデアは見送りを検討したりします。象限ごとのアイデアの数や偏りも参考になります。グループで共有しながら、アイデアの位置づけや評価について議論を深めます。
グループワークでの活用例
二軸マトリックスは、グループワークで非常に有効です。
- ブレインストーミング後のアイデア絞り込み: 出尽くしたアイデアを二軸で評価し、実現性や効果の高いものに焦点を絞る際に役立ちます。
- 複数の選択肢の比較検討: 複数の企画案や解決策がある場合、同じ軸で比較することで、客観的に優劣やリスクを判断しやすくなります。
- 意見の対立を解消: アイデアに対する評価が分かれる場合、どの軸に対して異なる評価をしているのかが明確になり、議論のポイントを整理できます。
- 共通認識の形成: アイデアの相対的な位置を全員で共有することで、なぜそのアイデアが重要なのか、なぜ難しいのかといった共通理解を深めることができます。
オンラインでのグループワークであれば、Googleドキュメントやスプレッドシートを共有し、共同でマトリックスを作成・編集することも可能です。テキストベースなので、特別なソフトウェアは不要です。
メリットとデメリット
二軸マトリックスのメリットは、そのシンプルさと分かりやすさにあります。絵を描くのが苦手でもすぐに実践でき、アイデアの比較や意思決定をスムーズに進める手助けとなります。また、既存のツール(メモ、テキストエディタ、スプレッドシートなど)で手軽に始められる点も魅力です。グループでの共有や議論にも適しています。
一方で、デメリットとしては、設定する軸の選び方が重要である点が挙げられます。適切な軸を選ばないと、有効な分析ができない可能性があります。また、非常に複雑な要素が絡むアイデアの場合、二つの軸だけでは評価しきれないこともあります。その場合は、他の分析手法と組み合わせることも検討すると良いでしょう。
まとめ
アイデア整理やグループワークでの意見集約に課題を感じている方にとって、二軸マトリックスは絵を描かずに手軽に始められる強力なツールです。二つの軸を設定し、アイデアを分類・配置するだけで、全体像を把握し、効果的な比較検討が可能になります。
特別なスキルやツールは必要ありません。ぜひ、普段お使いのメモアプリやテキストエディタを使って、今回ご紹介した絵を描かない二軸マトリックスを試してみてください。あなたのアイデア整理やグループワークが、よりラクチンに進むことを願っています。