レポート・企画に役立つ!PESTLE分析でアイデアをラクチン整理・共有
グループワークやレポート作成でのアイデア整理に悩んでいませんか
大学の授業やゼミで課されるグループワークやレポート作成。アイデアを出す段階から、そのアイデアを整理し、他のメンバーと共有して深めていく過程は、時に難しく感じるかもしれません。特に、レポートや企画書を作成する際には、単なる思いつきだけでなく、社会や市場の状況を踏まえた客観的な視点が求められることがあります。
外部環境を分析する手法として「PESTLE分析」というフレームワークがありますが、「分析」と聞くと難しそう、あるいは複雑な図や表を作成する必要があるのでは、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、絵を描いたり専門的なツールを使ったりしなくても、PESTLE分析は手軽に実践でき、アイデア整理や共有に非常に役立ちます。
この記事では、PESTLE分析を絵を描かずにテキスト主体で行う方法と、それをグループワークでラクチンに共有・活用するコツをご紹介します。
PESTLE分析とは何か
PESTLE分析とは、事業やプロジェクトに影響を与える可能性のある外部環境を、以下の6つの視点から分析するフレームワークです。
- Political(政治): 政治の安定性、政策、法律、税制など
- Economic(経済): 景気動向、金利、為替、物価、消費者の購買力など
- Social(社会): 人口動態、ライフスタイル、文化、価値観、教育水準など
- Technological(技術): 技術革新、研究開発、インフラ、デジタル化の進展など
- Legal(法律): 規制緩和や強化、著作権、労働法、消費者保護法など
- Environmental(環境): 環境保護意識、気候変動、自然災害、CSR(企業の社会的責任)への関心など
これらの要素が、検討しているアイデアや企画にどのように影響するかを洗い出すことで、より現実的で説得力のある内容にすることができます。
なぜPESTLE分析は絵を描かずにできるのか
PESTLE分析は、基本的に各項目に関連する「事実」や「トレンド」、「予測」といったテキスト情報を収集・整理していく作業です。そのため、複雑な図やグラフを作成する必要は必ずしもありません。箇条書きや簡単な表形式で情報を整理するだけで、十分に分析を進めることが可能です。
テキスト主体であることは、以下のメリットにつながります。
- 手軽さ: 紙とペン、あるいは普段使い慣れているスマホやPCのテキスト入力機能があればすぐに始められます。
- 共有しやすさ: テキスト情報は、メールやチャット、共同編集ドキュメントなど、様々な方法で容易に共有できます。
- スマホでの操作性: 複雑な描画ツールと異なり、スマホのフリック入力など、使い慣れた操作で効率的に情報を入力できます。
- 修正・加筆の容易さ: 気づいたことや新しい情報があれば、いつでも簡単に追加・修正できます。
テキストでPESTLE分析を実践する具体的な方法
PESTLE分析をテキストで実践するには、いくつかのツールが考えられます。いずれも無料で利用できるか、多くの大学生が既に利用できる環境にあるものです。
1. 共同編集可能なドキュメントツールを利用する
GoogleドキュメントやWord Onlineのような共同編集機能を持つドキュメントツールは、PESTLE分析をグループで行うのに最適です。
- 手順:
- 新しいドキュメントを作成します。
- 「政治」「経済」「社会」「技術」「法律」「環境」という見出しを作成します。
- それぞれの見出しの下に、関連する情報を箇条書きで書き込んでいきます。
- 共同編集権限をメンバーに共有します。
- 各メンバーが調べた情報や考えをリアルタイムで追記していきます。
- コツ:
- 重要な情報は太字にする、疑問点はコメント機能で質問するなど、ドキュメントの機能を活用すると、情報が整理されやすくなります。
- インデント(字下げ)機能を使って、情報の階層を示すことも可能です。
2. スプレッドシートを利用する
GoogleスプレッドシートやExcel Onlineなどのスプレッドシートツールも、情報を構造的に整理するのに向いています。
- 手順:
- 新しいスプレッドシートを作成します。
- 1列目に「分類」(政治、経済など)、2列目に「要素」、3列目以降に「内容」「影響」「根拠(情報源)」などの列を作成します。
- 各行に分析で見つかった情報を入力していきます。
- 共同編集権限をメンバーに共有します。
- コツ:
- セルの背景色を変える、フィルター機能を使って特定の分類だけを表示するなど、視覚的に分かりやすく整理できます。
- 情報源のURLをリンクとして貼り付けておくと、後で確認する際に便利です。
3. シンプルなテキストエディタとクラウドストレージを利用する
共同編集が難しい場合や、よりシンプルにまとめたい場合は、PCやスマホの標準的なテキストエディタで情報を入力し、それをGoogle DriveやDropboxなどのクラウドストレージで共有する方法もあります。
- 手順:
- テキストファイルを作成し、PESTLEの各項目を箇条書きでまとめます。
- ファイルをクラウドストレージに保存します。
- 共有フォルダにファイルを置き、メンバーに共有します。
- 各メンバーがファイルをダウンロードし、編集後に再度アップロードすることで情報を集約します(ファイルの競合に注意が必要です)。
- コツ:
- 日付やバージョン番号をファイル名に付けると、管理しやすくなります。
- 情報の衝突を避けるため、誰がどの部分を担当するか、編集のルールを決めておくと良いでしょう。
グループワークでの共有・活用方法
テキストで整理したPESTLE分析の結果は、グループワークで以下のように活用できます。
- 情報共有の基盤として: メンバー全員が同じ外部環境認識を持つための資料として共有します。
- アイデアの検証: 出てきたアイデアが、分析した外部環境に対して適切か、どのような影響を受けるかを検討する材料とします。
- 議論の深掘り: 特定の外部環境要素について、それがアイデアに与える影響について深く議論する際の出発点とします。
- 役割分担: 各メンバーがPESTLEの特定の項目を担当して情報収集を行うなど、役割分担の基準にもなります。
- 議事録との連携: PESTLE分析の結果を踏まえた議論の内容を議事録に残すことで、アイデアの背景や決定プロセスを明確にできます。
まとめ
PESTLE分析は、レポートや企画の質を高めるために有効な外部環境分析手法です。絵を描いたり専門ツールを使ったりしなくても、共同編集可能なドキュメントやスプレッドシート、あるいはシンプルなテキストファイルとクラウドストレージを活用することで、手軽に実践できます。
テキスト主体での分析は、情報の入力、共有、修正が容易であり、特にスマホでの作業に慣れている大学生の皆さんに適しています。PESTLE分析の結果をグループで共有し、アイデアの検討や議論に活用することで、より説得力のあるレポートや企画を効率的に作成できるでしょう。ぜひ、次のグループワークやレポート作成に取り入れてみてください。