絵を描かないアイデア優先順位付け!グループワークでラクチン整理・共有する方法
グループワークで生まれたアイデア、どれから進めるか迷っていませんか
グループワークでは、ブレインストーミングなどでたくさんのアイデアが生まれることがあります。新しいアイデアが出るとワクワクするものですが、一方で「結局、どれが一番良いアイデアなのだろう」「どのアイデアから具体的に検討を進めれば良いのだろう」と迷ってしまうことも少なくありません。
特に、アイデアを比較検討したり、優先順位を決めたりする過程は、グループ内での意見が分かれたり、うまく議論が進まなかったりして、難しさを感じる場面もあるかと思います。絵や図でアイデアの構造を整理することはできても、複数のアイデアを並べて優劣をつける作業は、また別の難しさがあるものです。
この記事では、絵を描くのが苦手な方でも、特別なツールを使わずに、テキストや身近な機能だけでアイデアの優先順位をラクチンに整理・共有する方法をいくつかご紹介します。これらの方法を活用すれば、グループでの話し合いがよりスムーズになり、次に進むべき方向が明確になります。
絵を描かずにアイデアの優先順位を決めるメリット
アイデアの優先順位を決める際に、絵や複雑な図を用いる必要はありません。テキストやシンプルな記号、表などを使うことには、いくつかのメリットがあります。
- 誰でも参加しやすい 絵や図のスキルに関係なく、誰もが自分の意見やアイデアの評価を表現できます。これにより、グループ全員が積極的に優先順位付けのプロセスに関与しやすくなります。
- 手軽に始められる 特別なデザインツールや専門的なソフトウェアは不要です。普段使っているチャットツール、ドキュメント作成ツール、スプレッドシートなどで手軽に実施できます。
- 理由や基準を明確にしやすい テキストでアイデアの評価点やその理由を書き込むことで、「なぜこのアイデアの優先順位が高いのか」といった判断基準や根拠を明確に残すことができます。後から見返した際にも、どのような議論を経てその順位になったのかを把握しやすくなります。
- 情報の共有が容易 テキストベースの情報は、コピー&ペーストが簡単で、チャットやメールなどで手軽に共有できます。オンラインでのグループワークはもちろん、対面での作業でも情報を瞬時に共有できます。
これらのメリットを活かし、絵を描かない簡単な方法で、グループのアイデアに優先順位を付けてみましょう。
具体的な優先順位付けの方法と活用例
ここでは、絵を描かずにできる簡単な優先順位付けの方法を3つご紹介します。
方法1: テキスト版「重要度×緊急度」分類
これは、経営やタスク管理でよく使われる手法をアイデア整理に応用したものです。「重要度」と「緊急度」という二つの軸でアイデアを分類し、優先順位を決めるフレームワークです。通常はマトリックス図で表現されますが、テキストだけでも分類は可能です。
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やり方
- アイデアをリストアップします(箇条書きや一覧表などで構いません)。
- 各アイデアについて、以下の4つのいずれかに分類します。
- 重要度:高、緊急度:高 (最優先で取り組むべきアイデア)
- 重要度:高、緊急度:低 (将来的に重要だが、今すぐではないアイデア)
- 重要度:低、緊急度:高 (緊急性は高いが、重要度は低いアイデア。本当に必要か検討)
- 重要度:低、緊急度:低 (優先順位が低いアイデア)
- 分類した結果をグループで共有し、なぜその分類になったのか理由を話し合います。
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活用例
- GoogleドキュメントやWordなどの共同編集機能を使って、アイデアのリストを作り、それぞれのアイデア名の横に「(重要度:高、緊急度:中)」のように追記していく。コメント機能を使って、なぜそう判断したのか理由を書き込むこともできます。
- SlackやDiscordなどのチャットツールでアイデアを投稿し、スレッド内で「重要度」と「緊急度」について意見を出し合い、最終的な分類をメッセージとしてまとめる。
方法2: シンプルな基準によるスコアリング
事前に決めた基準に基づいて、各アイデアに点数を付けて合計点で優先順位を決める方法です。客観的な基準を用いることで、感覚だけでなく具体的な根拠に基づいた優先順位付けがしやすくなります。
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やり方
- アイデアの優先順位を決めるための基準をグループで話し合って決めます(例: 実現可能性、必要な費用/労力、期待される効果、面白さなど)。基準は3〜5つ程度が良いでしょう。
- GoogleスプレッドシートやExcelなどで簡単な表を作成します。列に「アイデア名」と決めた「基準1」「基準2」…「合計点」の見出しを設けます。
- 各アイデアについて、基準ごとに点数(例: 1点:低い、2点:普通、3点:高い)を付け、合計点を計算します。点数の付け方について、事前に簡易的な評価ガイドラインを決めておくとブレが少なくなります。
- 合計点の高い順にアイデアを並べ替え、上位のアイデアについて話し合い、最終的な優先順位を決定します。
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活用例
- Googleスプレッドシートをグループで共有し、各自がアイデアに対して点数を入力する。全員の入力後、合計点を集計し、フィルター機能などで並べ替えて優先順位を確認する。
- 共同編集ドキュメントに表を作成し、アイデアごとに基準と点数を書き込み、手計算で合計点を出す。
方法3: テキストコメントでの意見集約と合意形成
個々のアイデアに対する意見や評価をテキストで集約し、それをもとに優先順位を決定する方法です。具体的な懸念点や応援意見などを共有しやすいのが特徴です。
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やり方
- アイデアを共有できるツール(共同編集ドキュメント、オンラインホワイトボードのテキスト付箋機能、チャットツールなど)にアイデアを一覧表示します。
- 各メンバーは、それぞれのアイデアに対して、テキストでコメントやリアクションを書き込みます。「このアイデア、〇〇の点で面白そう」「△△という課題がありそう」「これを優先したい理由」など、自由に意見を述べます。
- 集まったコメントを読み合わせ、アイデアの長所や短所、懸念点などをグループ全体で共有します。
- 活発にコメントがついているアイデア、肯定的なコメントが多いアイデア、具体的な進め方に関するコメントが多いアイデアなどを参考に、グループで話し合いながら優先順位を決定します。必要であれば、簡単な多数決(チャットの投票機能や絵文字リアクションなど)も併用できます。
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活用例
- Googleドキュメントでアイデアリストを作成し、各アイデアに対するコメント欄に各自が評価や意見を書き込む。
- Notionのデータベース機能でアイデアを管理し、各ページ内でメンバーがコメントを書き込む。
- SlackやDiscordのチャンネルにアイデアを投稿し、スレッド機能を使って意見交換を行い、重要な意見や決定事項をスレッドのまとめとして残す。
グループワークで活用する上でのポイント
これらの方法をグループワークでうまく活用するためには、いくつか意識しておきたい点があります。
- 目的と基準を事前に共有する なぜ優先順位を決める必要があるのか、どのような観点で評価するのか(例: 楽しさ最優先、実現可能性最優先など)を事前にグループで話し合って共通認識を持っておくことが重要です。
- 建設的な議論を促す アイデアに対する否定的な意見も重要ですが、単に「ダメだ」と言うのではなく、「〇〇の観点から課題があると思う」「△△をクリアできれば良いアイデアになりそう」のように、テキストでも具体的に、そして建設的に意見を述べ合うことが大切です。
- 決定プロセスを明確にする どのように最終的な優先順位を決定するのか(例: スコアリングの結果を参考に話し合いで決定、リーダーが最終判断するなど)を事前に決めておくと、スムーズに進みます。
- 決定した内容を記録に残す どのアイデアがどのような理由で優先順位が高くなったのか、あるいは低くなったのかといった決定プロセスと結果をテキストで記録しておくと、後々振り返る際に役立ちます。
まとめ
アイデアの優先順位付けは、グループで次に進むべきステップを決める上で非常に重要なプロセスです。絵を描くことに苦手意識があっても、ご紹介したようなテキストや簡単なツール、身近な機能を使えば、手軽に、そして効果的に優先順位を整理し、グループ全体で共有することができます。
今回ご紹介した方法は、特別なスキルや費用を必要としません。ぜひ、皆さんのグループワークで、これらの簡単なアイデア優先順位付けの方法を試してみてください。きっと、アイデアを具体的な形にしていくプロセスが、よりスムーズに進むはずです。