企画やレポートに使える!絵を描かずにアイデアを比較検討するマトリックス整理術
企画やレポート作成、グループワークでのアイデア整理に困っていませんか
大学の課題で企画書やレポートを作成したり、グループワークで複数のアイデアを検討したりする際、考えがまとまらずに難しさを感じることがあるかもしれません。特に、様々な選択肢やアイデアを比較してどれが良いか判断する場合、頭の中で考えるだけでは混乱してしまうことがあります。
また、アイデアを整理するために図や絵を描くことが苦手で、どのように情報をまとめれば良いか分からずに悩んでいる方もいるでしょう。手書きのメモも良いですが、グループで共有したり、後から見返して情報を付け加えたりする際には、デジタルツールを使った整理の方が効率的な場合もあります。
この記事では、絵を描かなくても、テキストとシンプルな表だけでアイデアを分かりやすく整理・比較できる「比較検討マトリックス」の考え方と、身近なツールを使った実践方法を紹介します。企画やレポート作成、グループワークでの意思決定をスムーズに進めるための手助けになれば幸いです。
比較検討マトリックスとは
比較検討マトリックスは、複数の選択肢やアイデアを、いくつかの評価基準に基づいて比較し、整理するためのツールです。一般的には「表」の形で表現されます。
縦の列に比較したい「評価基準」を、横の行に比較したい「項目」(アイデアや選択肢など)を並べ、それぞれの交差するマス目に、項目がその基準をどの程度満たしているかの情報や評価を記述していきます。
この方法の大きな利点は、複雑な図や絵を描く必要がなく、基本的にテキストや簡単な数値だけで整理が進められる点です。誰でも簡単に作成でき、視覚的に分かりやすく情報を整理できます。
比較検討マトリックスを使ったアイデア整理のメリット
比較検討マトリックスを使ってアイデアや選択肢を整理することには、いくつかのメリットがあります。
- 客観的な比較ができる それぞれの項目を同じ基準で評価するため、感情や主観に偏らず、より客観的に比較検討を進めることができます。
- 情報を構造化できる バラバラだった情報を「項目」と「基準」という切り口で整理し、分かりやすい構造にまとめることができます。これにより、アイデアの全体像を把握しやすくなります。
- グループでの議論が進めやすい マトリックスとして可視化することで、議論の対象が明確になります。「この項目はこの基準でどう評価できるか」「どの基準をより重視すべきか」といった具体的な話し合いが進みやすくなります。
- 絵や難しい操作が不要 表計算ソフトの知識がなくても、シンプルな表作成機能があれば作成できます。特別なデザインセンスや絵を描くスキルは全く必要ありません。
簡単な比較検討マトリックスの作り方
比較検討マトリックスは、以下のステップで簡単に作成できます。
- 比較したい「項目」を決める: 複数のアイデア、異なるツール、調査対象など、比較したいものをリストアップします。
- 比較するための「評価基準」を決める: どのような点に着目して比較したいかを決めます。例えば、コスト、使いやすさ、実現可能性、必要な時間、ターゲットへの影響度など、目的に応じた基準を設定します。基準は複数設定することで、多角的な視点から比較できます。
- シンプルな表を作成する: 決定した項目と評価基準を表の形に配置します。一般的には、行に項目を、列に評価基準を配置します。
- 各マス目に情報を記述する: 各項目がそれぞれの評価基準を満たしているか、どのような特徴があるかなどを、テキストや数値で具体的に記述していきます。
例えば、「大学祭の企画アイデア」を比較する場合、項目として「模擬店」「発表会」「ワークショップ」などを挙げ、評価基準として「準備の容易さ」「集客力」「参加者の満足度」「費用」などを設定し、表を埋めていくイメージです。
身近なツールで比較検討マトリックスを実践する方法
比較検討マトリックスを作成するために、特別なツールは必要ありません。普段使っている身近なツールで手軽に実践できます。
1. Googleドキュメント/Googleスプレッドシート
多くの大学生が利用しているGoogleアカウントがあれば、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートを無料で利用できます。
- Googleドキュメント: 文書作成ツールですが、「挿入」メニューから簡単に表を作成できます。作成した表に項目と基準、評価をテキストで入力していけばマトリックスが完成します。文書の一部としてマトリックスを組み込みたい場合に便利です。
- Googleスプレッドシート: 表計算ツールなので、マトリックス作成には最適です。行と列を使って直感的に表を作成できます。評価基準に点数をつけ、合計点を計算するなどの数値を使った比較も容易に行えます。セルにコメント機能を使って補足情報を加えることも可能です。
どちらのツールも共有機能が充実しており、作成したマトリックスをグループメンバーと簡単に共有し、共同で編集することも可能です。スマホアプリもあるため、移動中や外出先からでも確認・編集ができます。
2. Notion
多機能な情報整理ツールですが、無料プランでも利用できます。Notionの「データベース」機能を使うと、表形式で情報を管理できます。
- データベースのプロパティ(列)を評価基準、各ページ(行)を比較項目として設定します。テキストだけでなく、数値、チェックボックス、選択リストなど様々な形式で情報を入力できるため、よりリッチなマトリックスを作成できます。
- Googleスプレッドシートと同様に、フィルタリングや並べ替え機能を使って情報を絞り込んだり、特定の基準でソートしたりすることが可能です。
- グループメンバーを招待して共同で編集することも容易です。スマホアプリも提供されています。少し学習が必要ですが、慣れると非常に強力なツールです。シンプルなマトリックスであれば、基本的な表ブロックでも作成可能です。
3. Markdown記法
もしMarkdown記法に慣れている場合、テキストエディタなどを使ってシンプルな表を作成することも可能です。
| 項目 | 基準A | 基準B |
|---|---|---|
| アイデア1 | 評価A1 | 評価B1 |
| アイデア2 | 評価A2 | 評価B2 |
このようにテキストで記述するだけで表を表現できます。非常に軽量で、素早く作成できます。ただし、共同編集や複雑な計算には向いていません。アイデアのたたき台や、シンプルな比較に利用できます。
グループワークでの活用事例
比較検討マトリックスは、グループワークにおいて様々な場面で役立ちます。
- 複数のアイデアから最適なものを選ぶ: ブレストで出された複数のアイデアを項目とし、実現性、コスト、ターゲット層への響きやすさなどを基準に比較することで、グループとしてどのアイデアを採用するか、根拠を持って決定できます。
- 使用ツールの選定: プレゼン作成ツール、タスク管理ツールなど、グループで使用するツールを選ぶ際に、候補となるツールを項目とし、機能、価格、使いやすさ、連携性などを基準に比較することで、グループに最適なツールを見つけられます。
- 情報整理と共有: 調査した情報を項目とし、情報源、信頼性、要約などを基準にまとめることで、グループ全体で情報を整理し、共有するのに役立ちます。
- 議論の論点整理: 漠然とした課題に対して複数の解決策案が出ている場合、各案を項目とし、課題解決への貢献度、必要なリソース、リスクなどを基準に比較することで、議論の焦点を明確にできます。
まとめ
企画やレポート作成、グループワークでアイデアを整理・比較する際に、「絵を描くのが苦手」「どう整理すればいいか分からない」と感じることは自然なことです。
比較検討マトリックスは、テキストとシンプルな表だけでこれらの課題を解決するための一つの有効な方法です。特別なスキルは不要で、Googleドキュメントやスプレッドシート、Notionといった普段使い慣れたツールで簡単に実践できます。
複数のアイデアや選択肢を客観的に整理・比較することで、思考をクリアにし、グループでの意思決定をスムーズに進めることができるようになります。ぜひ、あなたのアイデア整理に取り入れてみてください。