グループワークでアイデアをタスク化!カンバン方式で進捗をラクチン共有
グループワークでアイデアを実行に移す難しさ
大学でのグループワークやプロジェクト活動で、たくさんの良いアイデアが出たものの、その後の進め方で立ち止まってしまう経験はありませんか。アイデアを出すところまでは盛り上がるのに、「じゃあ、誰が何をいつまでにやる?」となった途端、話がまとまらなくなったり、進捗が分からなくなったりすることは少なくありません。
手書きのタスクリストは散逸しやすく、全員で共有するのが難しい場合があります。また、複雑なプロジェクト管理ツールは操作が難しく、導入のハードルが高いと感じる方もいるでしょう。絵や図を描いて説明するのも、得意でない人には大きな負担になります。
なぜアイデアをタスク化・可視化するべきか
アイデアを実行可能なタスクとして明確にし、それをチーム全体で共有・可視化することには、いくつかの大きなメリットがあります。
まず、責任の所在が明確になります。誰がどのタスクを担当するかがはっきりするため、「誰もやっていない」という状況を防げます。
次に、進捗状況が一目で分かります。「今、プロジェクトのどこまで進んでいるのか」が共有されるため、遅れているタスクがあれば早期に気づき、チームでサポートし合うことができます。
さらに、次の行動が明確になります。終わったタスク、進行中のタスク、これから取り組むべきタスクが整理されることで、次に何をすべきか迷う時間が減り、効率的に作業を進められます。
これらを「絵を描かずに」「簡単に」実現する方法として、カンバン方式が有効です。
絵を描かないアイデア整理術「カンバン方式」とは
カンバン方式は、もともとトヨタ自動車で生まれた生産管理の手法ですが、現在ではソフトウェア開発や様々なプロジェクト管理に応用されています。その最も基本的な考え方は、タスクをカードとして扱い、工程の流れに沿って列(ボード)間を移動させることで、全体の進捗を視覚的に把握するというものです。
基本的なカンバンボードは、通常以下の3つの列で構成されます。
- 未着手(To Do): これから取り組むべきタスクのリスト
- 進行中(Doing): 現在、誰かが取り組んでいるタスクのリスト
- 完了(Done): 完了したタスクのリスト
アイデアをタスクとして洗い出し、それぞれをカードとして「未着手」の列に置きます。メンバーがタスクを開始したら、そのカードを「進行中」の列に移動させ、完了したら「完了」の列に移します。これだけで、チーム全体の「今何がどれくらい進んでいるか」がシンプルな見た目で分かります。
この方式の素晴らしい点は、複雑な図や絵を描く必要がないことです。必要なのは、タスクの内容を簡潔に記述したテキスト情報と、それを置く「列」だけです。
カンバン方式を手軽に実現するオンラインツール
カンバン方式をオンラインで手軽に実現できるツールはいくつか存在します。その中でも、特に初心者でも使いやすく、無料で利用できるツールとして「Trello(トレロ)」が有名です。Trelloは、ボード、リスト、カードというカンバン方式の基本要素で構成されており、直感的な操作でチームでのタスク管理が可能です。他にもAsana、Notionなど、同様の機能を持つツールは多数あります。
これらのツールの共通する特徴は以下の通りです。
- 視覚的なボード: 未着手、進行中、完了などのリスト(列)を作成し、タスクを表すカードを並べられます。
- カード機能: 各タスクカードには、タイトル、詳細な説明、チェックリスト、期日、担当者、添付ファイルなどを追加できます。テキスト入力がメインなので、絵を描く必要はありません。
- チーム共有: メンバーをボードに招待することで、全員が同じボードを見て、カードの移動や編集を行えます。
- スマホ対応: 多くの場合、スマートフォンやタブレット用のアプリが提供されており、場所を選ばずに進捗を確認したり、タスクを更新したりできます。
これらのツールを使えば、手書きの付箋やリストのように散らかる心配がなく、絵が苦手でも視覚的に分かりやすいタスク管理ボードをチームで共有できます。
グループワークでのカンバン方式活用ステップ
オンラインツールを使ったカンバン方式の具体的な活用ステップを紹介します。
- ツールの選定とボード作成: Trelloのような無料のオンラインツールを選び、グループワーク用の新しいボードを作成します。ボード名はプロジェクト名や課題名にすると分かりやすいでしょう。
- 基本的なリスト(列)の作成: まず、「未着手」「進行中」「完了」といった基本的なリストを作成します。必要に応じて、「検討中」「要確認」などのリストを追加しても良いでしょう。
- アイデアのタスク化とカード作成: 出たアイデアを具体的な「やるべきこと」に分解し、それぞれをタスクとしてカードを作成します。例えば、「〇〇について情報収集する」「△△のアンケートを作成する」「発表資料の構成案を作る」のように、誰が聞いても内容が理解できるように具体的に記述します。これらのカードを「未着手」リストに追加します。
- タスクの詳細設定: 各カードを開き、必要に応じてタスクの詳細(目的、作業手順、参考資料など)、期日、担当者を設定します。ツールによっては、チェックリスト機能を使って一つのタスクをさらに細分化することも可能です。
- タスクの実行とカードの移動: 各メンバーは担当する「未着手」のカードを選び、作業を開始したらそのカードを「進行中」リストにドラッグアンドドロップで移動させます。作業が完了したら、「完了」リストへ移動させます。
- 定期的なボード確認と共有: チームで定期的にボードを確認し、全体の進捗状況を共有します。「進行中」のタスクが滞っていないか、「完了」したタスクは何かを確認し、必要に応じてリストやカードを整理・更新します。
この流れで進めることで、アイデア出しフェーズで生まれた様々な考えが、具体的な実行計画へとスムーズに繋がり、チーム全体で迷うことなく作業を進められるようになります。
カンバン方式のメリットと注意点
カンバン方式とオンラインツールを組み合わせることのメリットは、手軽に始められ、絵や複雑な操作が不要で視覚的に分かりやすいタスク管理を実現できる点です。特に、多くのタスクを同時に進めるグループワークにおいては、全体の状況を把握しやすくなり、チームメンバー間の情報共有が促進されます。
一方で、非常に大規模で複雑なプロジェクトや、タスク間の依存関係が強い場合には、カンバン方式だけでは管理が難しくなることもあります。しかし、一般的な大学のグループワークであれば、十分に効果を発揮する手法と言えるでしょう。まずはシンプルな構成で試してみることをお勧めします。
まとめ
グループワークでアイデアを形にするためには、アイデアを具体的なタスクに落とし込み、チーム全体でその進捗を共有することが非常に重要です。絵を描くのが苦手でも大丈夫です。今回ご紹介したカンバン方式は、テキストベースのシンプルなカードとリストの移動だけで、タスクを分かりやすく整理・可視化できます。
Trelloのような無料のオンラインツールを活用すれば、スマートフォン一つでいつでもどこでもチームのタスク状況を確認・更新できます。ぜひ、次のグループワークからカンバン方式を取り入れて、アイデアをスムーズに実行に移し、チームでの成果創出をラクチンにしてください。