Googleドキュメントの提案モードでアイデアをラクチン整理!変更履歴を残してグループワークを効率化
アイデア整理や共同作業の難しさ、テキストでの修正・提案の課題
グループワークでアイデアを出し合い、それを一つの形にまとめていく過程は、多くの発見があり刺激的です。しかし、出てきたアイデアをどう整理し、チーム内でどのように修正や改善の提案を行うかに課題を感じることも少なくありません。特に、テキストベースで議論を進めている場合、誰がどの部分を変更したのかが分かりにくくなったり、誤って元のアイデアを消してしまったりする心配があります。
手書きのメモでは、修正のたびに書き直す手間がかかりますし、図や絵で表現することも苦手意識があるかもしれません。デジタルツールを使っても、ただテキストを編集するだけでは、アイデアがどのように変化していったかの過程が見えづらいことがあります。
このような、テキストベースでのアイデア整理や共同作業における修正・提案の課題を解決し、「絵を描かなくてもラクチンにアイデアを可視化・共有する」方法として、Googleドキュメントの「提案モード」が役立ちます。
Googleドキュメントの提案モードとは?
Googleドキュメントの提案モードは、共有したドキュメントに対して直接編集を加えるのではなく、元のテキストへの「提案」として変更内容を記録する機能です。この機能を使うと、追加、削除、変更などの提案内容がドキュメント上に分かりやすく表示され、チームメンバーはその提案を確認し、承認または却下することができます。
このモードの大きな特徴は、元のアイデアであるテキストを残したまま、別のアイデアや修正案を「重ねて表示」できる点にあります。これにより、どのような変更が提案されたのか、その提案はどの部分に向けられたものなのかが一目で分かります。絵を描く必要はなく、普段使っているテキスト入力だけでアイデアの進化の過程を可視化できます。
提案モードを使ったアイデア整理・共有のメリット
提案モードを活用することで、グループワークでのアイデア整理や共有に以下のようなメリットが生まれます。
- 変更履歴が自動で残る: 誰がいつ、どのような変更を提案したかが全て記録されます。アイデアがどのように発展していったかの過程が明確になります。
- 元のアイデアを保持できる: 提案は元のテキストを置き換えるものではありません。元のアイデアをいつでも確認できるため、安心して様々な修正案を試せます。
- 誰が何を提案したか明確: 各提案には提案者の名前が表示されます。これにより、議論の貢献度が分かりやすくなります。
- 提案に対する議論がしやすい: 各提案に対してコメントを付けることができます。なぜそのように変更を提案したのか、その提案についてどう思うかなど、提案内容に関する具体的な議論がスムーズに行えます。
- 承認・却下が容易: チームで議論した結果に基づき、個々の提案を簡単に承認してドキュメントに反映させるか、却下するかを選択できます。
これらのメリットにより、テキストベースのアイデア整理や共同作業が、より透明性が高く、効率的なものになります。
提案モードの具体的な使い方
Googleドキュメントの提案モードは、PCでもスマートフォンでも簡単に利用できます。基本的な使い方は以下の通りです。
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提案モードへの切り替え:
- PC版: ドキュメントを開き、右上にある編集モードの切り替えボタン(通常はペンのアイコンの横に「編集」と表示されています)をクリックし、「提案」を選択します。
- スマートフォン版: Googleドキュメントアプリでドキュメントを開き、右上の三点リーダーメニューをタップし、「ドキュメントを共有してエクスポート」または共有メニューの中から「共有」を選択後、編集権限を付与する際に「コメント可」または「編集可」を選択し、共有相手がドキュメントを開いた際に編集モードを提案モードに切り替える必要があります。または、PC版で事前に提案モードに切り替えておくことも可能です。編集中にモードを切り替える場合は、PC版と同様に編集モードボタンを探します。
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アイデアの提案:
- 提案モードになっている状態で、ドキュメントのテキストを変更(追加、削除、編集)します。
- 追加したいテキストを入力すると緑色で表示されます。
- 削除したいテキストを選択して削除すると、取り消し線が引かれ赤色などで表示されます。
- テキストを編集すると、元のテキストに取り消し線が引かれ、新しいテキストが緑色などで表示されます。
- これらの変更は、ドキュメントの右側に提案として表示されます。
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提案へのコメント:
- 各提案の右側に表示されるコメントアイコンをクリック(またはタップ)すると、その提案に対するコメントを追加できます。
- コメント機能を使って、提案の意図を説明したり、質問を投げかけたり、賛成や反対の意見を述べたりすることができます。
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提案の承認または却下:
- 提案の右側に表示される「✔」(承認)または「✖」(却下)のアイコンをクリック(またはタップ)します。
- 承認すると、提案内容がドキュメントに反映され、提案の表示が消えます。
- 却下すると、提案内容はドキュメントに反映されずに消えます。
グループワークでの具体的な活用シーン
提案モードは、大学生のグループワークで様々なシーンに応用できます。
- ブレインストーミング後のアイデア整理: チームでブレインストーミングを行い、出てきたアイデアを羅列したドキュメントに対して、提案モードで不要なアイデアの削除を提案したり、複数のアイデアを組み合わせて加筆する提案を行ったりします。どのアイデアを残すべきか、どのように修正すべきかを全員で検討する過程が見える化できます。
- レポートや企画書の構成案レビュー: レポートや企画書の構成案をテキストで作成し、チームメンバーに共有します。提案モードで、章立ての変更、内容の追加・削除、表現の修正などを提案してもらいます。それぞれの提案に対して議論を行い、より良い構成案にまとめていきます。
- 共同での議事録作成・確認: 会議や話し合いの議事録を共同で作成する際に提案モードを使います。誰かがドラフトを作成し、他のメンバーが内容の修正や補足情報の追加を提案します。これにより、議事録の正確性をチーム全体で担保できます。
- 共同執筆: チームで一つのドキュメントを共同で執筆する際に、それぞれの担当箇所への変更提案や、全体の整合性を取るための修正提案に利用します。誰がどの部分に関わっているか、どのような意図で修正しているかが明確になり、スムーズな共同作業が可能になります。
他の方法との違いや注意点
提案モードは、テキストベースのアイデア整理・共有において非常に有用ですが、他の方法と比較しての特徴や注意点もあります。
- コメント機能との使い分け: 提案モードはテキストの具体的な変更内容を示すのに適しています。一方、コメント機能は、特定の箇所に対する一般的な意見や質問、議論を記録するのに向いています。テキストの「修正」そのものに焦点を当てるか、その箇所に関する「議論」に焦点を当てるかで使い分けると良いでしょう。
- 視覚的な表現には限界: 絵や図を使った複雑な構造や関係性を表現するには向きません。あくまでテキストと、その変更履歴を可視化する機能です。より複雑な図解が必要な場合は、オンラインホワイトボードなどのツールと併用することを検討してください。
- 権限設定に注意: ドキュメントの共有設定で編集権限を適切に設定することが重要です。提案モードを使ってもらうためには、「コメント可」または「編集可」の権限を与える必要があります。
まとめ
Googleドキュメントの提案モードは、絵を描くのが苦手な方でも、テキストの変更履歴を明確に残しながらアイデアを整理・共有できる強力なツールです。グループワークにおいて、出てきたアイデアを安全かつ効率的に修正・改善していくプロセスを可視化し、チームでの議論を活性化するのに役立ちます。
レポート作成、企画立案、共同でのドキュメント作成など、様々なシーンで活用できます。ぜひ次のグループワークから、Googleドキュメントの提案モードを試してみてください。テキストベースのアイデア整理・共有が、きっとラクチンになるはずです。