Evernoteでアイデアをラクチン整理!ノートブックとタグで簡単分類・共有術
はじめに:アイデア整理と共有の悩み
大学でのグループワークでは、様々なアイデアが出ますが、それらを分かりやすく整理し、メンバーと共有することに難しさを感じている方も多いのではないでしょうか。手書きのメモが散らばってしまったり、せっかく出たアイデアをうまくまとめられなかったりすることはよくあります。特に、絵や図を描くのが苦手だと、アイデアを視覚的に表現して伝えるのが難しく感じられるかもしれません。
この記事では、絵を描かなくてもアイデアを簡単に整理・分類し、グループで共有できる方法として、多くの人が使っているノートアプリ「Evernote」の活用法をご紹介します。Evernoteの「ノートブック」と「タグ」という機能を組み合わせることで、アイデアを効率的に管理できるようになります。
Evernoteがアイデア整理・共有に向いている理由
Evernoteは多機能なノートアプリですが、特にアイデア整理やグループでの共有において、絵を描かなくても効果的に活用できる点がいくつかあります。
- テキスト中心の整理: Evernoteは主にテキストで情報を記録するため、絵や複雑な図は必須ではありません。箇条書きや短文でもアイデアをストックできます。
- ノートブックによる大まかな分類: ノートブックを使うことで、プロジェクトごと、テーマごと、科目ごとなど、大まかなカテゴリーにアイデアを分類できます。まるで物理的なノートを使い分けるような感覚で整理が可能です。
- タグによる柔軟な関連付け: ノートブックでの分類に加え、タグを使うことでアイデアに様々な「キーワード」を付けられます。これにより、ノートブックを横断して関連するアイデアを探したり、複数の視点からアイデアを絞り込んだりすることが容易になります。
- 検索機能の高さ: 記録したテキストやタグは強力な検索機能で簡単に見つけ出せます。後から特定のアイデアを探す際に役立ちます。
- 共同編集・共有機能: ノートやノートブックを他のEvernoteユーザーと共有し、共同で編集することが可能です。グループワークでメンバーとアイデアを共有し、一緒に加筆・修正する際に非常に便利です。
- マルチデバイス対応: スマートフォン、タブレット、PCなど、様々なデバイスで利用できます。場所を選ばずにアイデアを記録したり確認したりできます。無料プランでも基本的な機能は十分に活用できます。
Evernoteを使ったアイデア整理・共有の具体的なステップ
Evernoteのノートブックとタグを使ってアイデアを整理・共有する手順はとてもシンプルです。
ステップ1:アイデアを「ノート」として記録する
思いついたアイデアは、まずは新しいノートとしてどんどんEvernoteに記録しましょう。
- テキスト入力: スマートフォンやPCで直接テキストを入力します。箇条書きや簡単なメモでも構いません。
- 音声入力: スマートフォンの音声入力機能を使えば、思いついたことをすぐに声で記録し、テキストに変換できます。移動中など手入力が難しい場合に便利です。
- ウェブクリップ: 参考になるウェブサイトや記事は、Evernoteのウェブクリッパー機能で簡単にノートとして保存できます。後で見返す際に役立ちます。
- 写真/画像: 手書きのメモや資料をスマートフォンのカメラで撮影し、ノートに添付することもできます。Evernoteは画像内のテキストも検索できる場合があります。
ステップ2:「ノートブック」でアイデアを大分類する
記録したノートは、関連するものごとにノートブックにまとめます。
- グループワークのテーマごとにノートブックを作成する(例:「〇〇プロジェクト_アイデア」「△△企画_ブレスト」)。
- 授業の科目ごとにノートブックを作成する(例:「経営学_課題アイデア」「ゼミ発表_ネタ帳」)。
- アイデアの種類で分ける(例:「新規サービスアイデア」「既存改善アイデア」)。
ノートブックに入れることで、特定の範囲のアイデアだけを簡単にまとめて表示できます。
ステップ3:「タグ」でアイデアにキーワードや属性を付ける
これがEvernoteでのアイデア整理の重要なポイントです。一つのノートに対して複数のタグを付けることができます。
- キーワードタグ: アイデアの核となるキーワードをタグとして付けます(例:「SNS」「アプリ開発」「サークル活動」)。
- 属性タグ: アイデアの現在の状態や種類、担当者などをタグで示します(例:「検討中」「採用済」「要調査」「〇〇さん担当」「コスト関連」)。
- 重要度タグ: アイデアの重要度を示すタグを付けることもできます(例:「最重要」「保留」)。
タグを付けることで、後から「SNS」関連のアイデアだけを探したり、「〇〇さん担当」で「検討中」のアイデアだけをリストアップしたりといった絞り込みが可能になります。ノートブックが「本の章」だとすれば、タグは「索引のキーワード」のような役割を果たします。
ステップ4:ノートやノートブックをグループメンバーと「共有」する
整理したアイデアをグループメンバーと共有しましょう。
- ノートブックを共有する: グループワークのテーマに関するノートブックごと共有設定します。メンバーは共有されたノートブック内の全てのノートを閲覧・編集できるようになります(共有権限は設定できます)。これにより、メンバーは常に最新のアイデアリストにアクセスできます。
- 個別のノートを共有する: 特定のアイデアや資料のノートだけを共有したい場合は、そのノート単体を共有することも可能です。
共有されたノートやノートブックの中で、メンバーはアイデアへのコメントを追加したり、内容を直接編集したりできます。絵を描く代わりに、テキストでのフィードバックや追記を行う形でアイデアを深めていくことができます。
グループワークでの活用事例
Evernoteのノートブックとタグを使ったグループワークでの具体的な活用シーンをいくつかご紹介します。
- ブレインストーミング結果の整理:
- ブレインストーミングで出たアイデアを、各自がスマートフォンからEvernoteのノートとしてリアルタイムに入力。
- これらのノートを一つの「ブレスト_日付」のようなノートブックに集約。
- 各アイデアノートに、キーワード、担当者、ステータス(例: 「深掘り必要」「他のアイデアと組み合わせ」)などのタグを付ける。
- ノートブック全体をメンバーと共有し、各自がタグで絞り込みながら関連アイデアを確認したり、コメントを追加したりする。
- リサーチ情報の共有と分類:
- 各自がリサーチしたウェブサイト、記事、文献などの情報をウェブクリップ機能でEvernoteに保存。
- リサーチテーマごとにノートブックに分類。
- 各ノートに、情報源の種類(例: 「ニュース記事」「論文」「市場データ」)、関連するアイデアのキーワード、重要度などのタグを付ける。
- リサーチ情報のノートブックを共有し、タグを使って必要な情報に素早くアクセスできるようにする。
- 議事録と関連アイデアの紐付け:
- 会議の議事録をEvernoteで作成し、日付や会議名でノートブックに整理。
- 議事録の中で出た新しいアイデアや宿題事項を別途ノートとして作成し、議事録ノートと「関連ノート」としてリンクを貼るか、共通のタグを付ける。
- 議事録ノートブックや関連アイデアノートブックを共有し、議論の流れとそこから生まれたアイデアをメンバー全員が追えるようにする。
メリットと考慮事項
Evernoteのノートブックとタグを使ったアイデア整理・共有には、以下のようなメリットがあります。
- 絵を描くスキルがなくても、テキスト入力と簡単な分類操作でアイデアを整理・共有できる。
- スマートフォンで手軽に始められ、いつでもどこでもアイデアを記録・確認できる。
- タグを工夫することで、多様な切り口でアイデアを分類・検索できる。
- 共同編集機能を使えば、グループメンバーとの情報共有や共同作業がスムーズに進む。
- 無料プランから利用できるため、気軽に試すことができる。
一方、考慮しておきたい点としては、以下のようなものがあります。
- 無料プランには機能や容量に一部制限があります。本格的に使い込む場合は有料プランの検討が必要になることがあります。
- 複雑なフロー図や概念図など、視覚的な関係性を強く表現したい場合には、テキスト中心のEvernoteだけでは限界がある場合があります。その際は、他のツールと併用することも検討できます。
まとめ
Evernoteのノートブックとタグ機能を活用することで、絵を描くのが苦手な方でも、アイデアを効率的に整理し、グループメンバーとスムーズに共有することが可能です。シンプルなテキスト入力と、ノートブックによる大分類、タグによる詳細・横断的な分類を組み合わせるだけで、散らばりがちなアイデアを体系的に管理できるようになります。
大学のグループワークでアイデア整理や共有に課題を感じている方は、ぜひ一度Evernoteのノートブックとタグを使った方法を試してみてはいかがでしょうか。まずは無料プランで、スマートフォンを使って手軽に始めてみることをお勧めします。この方法が、皆さんのアイデアを形にするための一助となれば幸いです。