絵を描かないブレーンライティングでアイデア爆発!グループワークを活性化する方法
グループワークでアイデアを出す際、絵や図で説明するのが苦手だと感じる方はいませんか。また、特定のメンバーの発言に偏ってしまい、なかなか多様な意見が出ないという課題もあるかもしれません。
このような時に役立つのが、絵を描く必要のないアイデア発想法「ブレーンライティング」です。この方法は、参加者全員が平等にアイデアを出しやすく、効率的に多くの意見を集めることができます。
ブレーンライティングとは?絵を描かないことのメリット
ブレーンライティングは、複数の参加者が設定されたテーマに対し、それぞれが同時にアイデアを書き出し、それらを交換してさらに発想を広げていく手法です。一般的なブレーンストーミングが口頭での発言中心であるのに対し、ブレーンライティングは「書くこと」が基本となります。
絵を描かない、テキスト中心のブレーンライティングには、いくつかのメリットがあります。
まず、発言のハードルが低い点が挙げられます。口頭での発言が苦手な方でも、自分のペースでアイデアを文字にして出すことができます。また、他の人の発言に遠慮したり、話の割り込みを気にしたりする必要がありません。
次に、参加者全員が同時にアイデアを出せるため、短時間で多くの意見を集めやすいというメリットがあります。これにより、活発な議論が苦手なグループでも、効率的にアイデアを引き出すことが可能です。
さらに、アイデアが文字として記録されていくため、後から見返したり、整理したりしやすい点も利点です。絵や図が不要なため、特別なスキルやツールがなくてもすぐに始めることができます。
絵を描かないブレーンライティングの基本的な進め方
絵を描かないブレーンライティングは、シンプルなステップで実施できます。共同編集機能を持つツールを活用すると、よりスムーズに進められます。
1. テーマとルールを共有する
まずは、ブレーンライティングでアイデアを出したい具体的なテーマ(例: 学祭の新しい企画、グループ発表のテーマ案、サークル活動の課題解決策など)を明確に設定し、参加者全員で共有します。
次に、ブレーンライティングの基本的なルールを説明します。特に重要なのは以下の4点です。
- 批判・評価をしない: 出されたアイデアに対して、良い・悪いの判断や批判は一切行いません。どんなアイデアも歓迎します。
- 量より質: 短時間でできるだけ多くのアイデアを出すことを目指します。
- 自由な発想: 非現実的と思われるような突飛なアイデアも歓迎します。
- 結合・改善: 他の人のアイデアを見て、それをヒントに自分のアイデアをさらに発展させたり、複数のアイデアを組み合わせたりします。
2. アイデアを書き出す
共同編集可能なドキュメントやツールを開き、参加者各自が与えられた時間内にテーマに関するアイデアをひたすらテキストで書き込んでいきます。一般的には、数分間隔でアイデアシート(ドキュメント上の自分以外の参加者の記入欄)を交換したり、全員が同じドキュメントの異なる場所に同時に書き込んだりします。
例えば、共同ドキュメントであれば、参加者ごとにセクションを分け、それぞれのセクションにアイデアを入力していく形式が考えられます。制限時間を区切りながら、「次のセクションに移動して、他の人のアイデアを見て、さらに発想を広げてください」といった指示を出すことで、アイデアの交換を擬似的に行うことができます。
3. アイデアを整理する
設定した時間が終了したら、出されたアイデア全体を眺めます。この時点ではまだアイデアが羅列されているだけなので、見やすく整理する作業を行います。
共同編集機能を使って、似たアイデアをグループ化したり、重要なアイデアにマーカーを付けたり、補足説明を加えたりします。絵や図は使いませんが、見出し機能を使ったり、リスト化したり、色分け(ツールによってはテキスト色の変更やハイライトが可能)を利用したりすることで、テキスト情報だけでも十分に構造化し、見やすく整理することが可能です。
ブレーンライティングに使える無料・簡単なツール例
大学生の皆さんが普段から使い慣れているようなツールを活用することで、手軽にブレーンライティングを実施できます。特別なデザインツールや有料ソフトは必要ありません。
- Googleドキュメント / Word Online: 最も手軽な選択肢の一つです。一つのドキュメントを複数人で同時に編集できるため、各参加者が自分のアイデアを書き込んだり、他の人のアイデアを読んだりするのに適しています。インデントや見出し機能を使えば、簡単な構造化も可能です。
- Google Keep / Notion: これらのメモ・ノートアプリも共同編集機能を持っています。Google Keepならシンプルに付箋のような感覚でテキストメモを共有できます。Notionはより高機能ですが、基本的なテキスト入力と共有機能だけであればシンプルに使うことができます。
- オンラインホワイトボードツール(Miro, Muralなど)のテキスト機能: これらのツールは多機能ですが、テキスト入力エリアだけを活用することも可能です。大きなスペースに参加者全員が同時にテキストを書き込むことで、視覚的にアイデアが広がっていく様子を確認できます。無料プランでも複数人での利用が可能な場合があります。
- Slack / Discordなどのチャットツールのスレッド機能: 一つのテーマに関するアイデア出しを、特定のチャンネル内のスレッドとして行うこともできます。リアルタイムでのアイデアの応酬には向いていますが、後からの整理には少し手間がかかる場合もあります。
これらのツールは、特別なインストールが不要で、Webブラウザやスマホアプリから手軽に利用できる点が、絵を描くのが苦手な方やスマホでの操作に慣れている方にとって大きなメリットとなるでしょう。
グループワークでのブレーンライティング活用事例
ブレーンライティングは、様々なグループワークの場面で活用できます。
- 企画・テーマの絞り込み: 漠然とした課題から具体的な企画テーマを複数生み出す際に有効です。
- 問題の原因分析: 特定の問題に対して、考えられる原因を多角的に洗い出すために使えます。
- 解決策のアイデア出し: 特定の問題に対する解決策候補を幅広く集めるのに役立ちます。
- ネーミングやキャッチフレーズの検討: 商品名やイベント名、グループ名などの候補を効率的に出すことができます。
ブレーンライティングで出されたアイデアは、その後の議論や整理の土台となります。例えば、出たアイデアの中からいくつかを選んでさらに深掘りしたり、KJ法やSWOT分析といった他のフレームワークに発展させたりすることも可能です。
ブレーンライティングをより効果的に行うコツ
ブレーンライティングを成功させるためには、いくつかのコツがあります。
- 明確なテーマ設定: 何についてアイデアを出すのか、テーマを具体的に定めることが重要です。
- 時間の厳守: 短時間で集中して多くのアイデアを出すため、時間をしっかり区切って行います。
- ファシリテーターの存在: 進行役(ファシリテーター)がいると、ルールの確認や時間管理、ツールの操作などでスムーズに進めることができます。
- 出たアイデアの「次」を決める: ブレーンライティングで終わるのではなく、出たアイデアをどう活用するのか(議論、整理、投票など)を事前に決めておくと、参加者のモチベーション維持にもつながります。
まとめ
絵を描くのが苦手でも、ブレーンライティングを活用すれば、グループワークで効率的に多くのアイデアを生み出すことができます。テキストベースで進めるため、特別なスキルは不要で、Googleドキュメントなどの使い慣れたツールで手軽に始められます。
ブレーンライティングは、参加者全員が平等に意見を出しやすい環境を作り、多様なアイデアを引き出すのに非常に有効な手法です。ぜひ次のグループワークで試してみてはいかがでしょうか。